その日が特別な日になったのは今年が初であった。 今までは自分にとって関係のない日であり、むしろ嫌悪していたのだが今年は少し違う。 「ちっ、何で俺が…」 訝しげに眉間に皺を寄せ、神田ユウはため息を一つ吐いた。 *** 事の起こりは一ヶ月前。 その日神田ユウは任務を終え、食事をするため食堂に向かった。 眠気と空腹どちらを選ぶか悩んだのだが、食事を終えてからの方がよく眠れると思ったためである。