月 2016-08-05 23:20:23 |
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「わかった」
短い返事と共に神田は抱きしめた手をゆっくりと放し、その行為に安堵と共に僅かな寂しさを思ったアレンは神田の意外な指先の動きに鼓動を高めてしまった。
「か、神田?何してっ」
そのまま離れるかと思えた指先は、アレンの上着の襟元を撫でる。
「上着を脱ぎたいんだろう、手伝ってやる」
そうアレンの耳元で囁くと、上着の止め具を一つ、また一つと丁寧にしかし愛しそうに外していく。
「神田、自分で脱ぎますから」
なんてことのない出来事のはずなのに、アレンの頬は薄紅色に染まり、熱を帯びてしまう。
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