幹 2016-07-24 13:38:43 |
通報 |
□ ♀ / 6歳
…おじさん、ごめんなさい。
( まだ傷一つない真っ赤なランドセルを背に、これから6年間ほぼ毎日通るであろう路を一人歩く。普段よりも複数のぶ厚い教材を必要とする科目が多かったせいか自然と背嚢の中身も多くなり、小さな体に伸し掛るその重みになんとか耐えながら"おうちにかえったらおかあさんの手づくりクッキーだ"なんて己を励ます様に言葉を掛けつつゆっくりと足を進めて。学校を出て最初の角を曲がり終えた時、視界が真っ暗になったかと思えばそのまま後ろによろけて倒れ込む自分の体と何かに接触した感覚。鈍い音がした直後からじんじんと痛むお尻で一瞬顔を歪めるも、慌てて顔を見上げるとそこには心配そうな表情で此方を見詰める黒いスーツ姿に穏やかな雰囲気を持った男性がおり。大丈夫?、との声と共に差し出された手を握ればゆっくり痛む体を持ち上げ、申し訳なさそうな表情を浮かべながら頭を深く下げると謝罪の言葉をぽつりと述べて。 )
トピック検索 |