匿名主 2016-07-20 21:25:21 |
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(次から次へと流れ落ちる涙を優しく拭われ、とんでもない過ちを犯しそうになったことさえも容易く許してもらえるとせめてその優しさに応えようと差し出されるお粥を懸命に食べ続け。相手に風邪を移すことなんて絶対にあってはいけない。おそらくは今まで眠らずに自分の看病をしてくれていたのだろう、それだけでも辛いはずなのにもっと辛い目に合わせるわけにはいかないとふらつく体で離れようとするが、あっさり拒まれてしまえば強い意志を感じる言葉につい喜びまで感じてしまい「…わかりました…じゃあ、稜様に移っちゃったら、その時は私が看病しますね…」咳を堪えながら薄く微笑み、それならおあいこだと自分に言い聞かせるように答えて。無防備に体を預け、鳥の雛のように口を開いて食事を食べさせてもらうのは恥ずかしいものの何故か嬉しいもので、全て食べ終える頃には名残惜しさまで感じるほどであり「――ごちそうさまでした。あとは、寝ていれば治りますから…」それでも起こしていた体への負担はあったのか、相手にもたれかかる肩は大きく上下しており視線もぼんやりとして「…稜様も、少し休んでください」そんな有様でも熱い手のひらをぴたりと相手の頬に添えては何とか相手を気遣おうとして)
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