匿名主 2016-07-20 21:25:21 |
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(いくら相手を呼んでも返事はなく、代わりに聞こえるのは遠くに響く水音や包丁を使う音だけ。いつもならシャワーを浴びたり料理を作っているのだろうと容易く想像出来るのに、朦朧とした意識はそんなことも気にせずただ"相手が側にいない"ということだけを認識し、熱で潤んだ瞳を更に涙で滲ませてしまい。寒気と心細さにどれほど震えていたのか、ようやく相手が戻ってきてくれると手に持つ料理に一瞥もくれずきゅっとそのシャツの裾を掴んで「あたま、痛くて…寒いです…」けほけほ咳込みながら弱々しく問いかけに答え、本当は抱き着きたいのに体を起こせないのか両手で相手に懸命に触れ。お粥を冷ます姿をじっと見上げながら「…だって…稜様がいないと、食べられなかったんです。お腹も、空かなくて…」怒ったような口調に叱られたような気持ちなるとまた泣きそうな顔をして、いわゆる食事も喉を通らない状態だったことを正直に話すと差し出されたお粥をスプーンの先だけ口に入れるようにほんの少しだけ食べて「…稜様がいなきゃ、だめなんです…」久しぶりの温かい相手の料理に気持ちが緩んだのか、弱って不安定な情緒もあって相手がいなければ生きていけないとか細く弱音を零し)
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