松野おそ松 2016-06-12 19:35:44 |
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ひっ、……ただいま。寝てたとは思えない動きだね(突然背後から誰かに抱き締められた。そんな尋常じゃない状況に心臓は忙しく動くが、それに反比例する様に体はびくりと肩を震わせてから動かずじまいで。情けなくも喉からひきつった声が漏れ、パニックのまま顔を後ろに向けると嫌になる程見慣れた長男の顔。寝てたんじゃないのかと安心感から溜め息を吐いては、ぽすんと相手に体を預け嫌味ったらしく皮肉を。寂しかった?知るか。内心悪態をつきながらもまるで労る様に頬を触る相手に、一体どうしたと顔に困惑の色を乗せ。思い当たる節が無く何か怒らせる様な事をしただろうかと目を泳がすも、焦った事にそんな記憶は無いのでこれは宜しくないと脳内で警報が鳴り響き。今のうちに謝っておこうかと、低姿勢で接する作戦を企て縮こまりながらも恐る恐る背後を振り向いては「あ、のさ…ごめん」長男が怒るとヤバいのは知っている、他の兄弟も身に染みて分かっている。だからこそその怒りが全面に押し出される前に此方から無理矢理にでも押し込まなければ。しかし怒っていると思えば思う程、怒りの表情を微塵も顔色に出さない相手がより恐ろしく。何が悪かったのかは未だ分からないが謝っておくのは利口なやり口だと自分を必死に納得させては、相手の腕の中に納められている自身の体に危機感を抱き始め)
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