スミソナイト【非募】

初対面でそこ迄言われるのは初めてだ、一時の気分で撮影されるのが普通だからな…そう、ミーハーな行動で。
まあ肩の力は抜いてくれ、正直僕は裕福とは言えないんだ。代わりにハンバーガーでもどうだ？
そうか＿？笑いながら言われても今一つ信憑性には欠けるな。正装を笑われて気分が良いかと問われればそうじゃ無い。
(当時キャプテンアメリカでは無くキャプテンロジャースであった頃から、等身大パネルに近しい扱いを受けるのは何度も経験済み。ファンサービスと称して写真撮影に応じるのは何も初回では無いにも関わらず、突然現れた全身赤い男の言葉は戸惑いもじんわりと込み上げる喜びをも呼び醒まし。上品とは言えぬジェスチャーは相手から年齢不詳ながら暗殺に来た人物よりもフランクで俗物的な印象を与え、軽い皮肉を口に出来る余裕も出て。ハンバーガーの下りは皮肉には非ず、英雄であれど懐具合に見合ったホスピタリティ精神を具現化しており。視線の位置が物語るは明らかに衣装に対する尊敬の念は無いと云う事実、殊更笑われてしまうと眉をひくつかせ容赦無い「ダサい」への反発心を示し。頭の中でエコーよろしく「ダサい」が繰り返される中、嬉々としている彼の要素でそれもまあ良いかと打ち消され。夢か現かの疑問に答えるべく相手の片手首を取れば「どうだ？妄想ならもっとあやふやな感触じゃないかと思うよ。」と己の二の腕に触れさせて。)