xxx 2016-05-20 12:45:36 |
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(外国人の言葉に一体何を言い出すのかとぐらつく思考が一時停止するも、これ以上の誤解だけはされたくないと、下敷きになっていた袖を力づくでなんとか引きずりだす。
ようやく自由になればまだふらつく足取りで立ち上がり乱れた着物を正しながら、上半身を起こす外国人に「さっきの話だが、今は手一杯だから遠慮しておくよ」と断って。
髪も適当に結い直すと、まだ部屋の入口に立っている相手を外国人と二人きりにはしたくなく、少々周りを気にしてから手を取って戸口まで向かう。
自分がほろ酔いだからか元々相手の体温が低いのか、その手は冷たく感じるのに触れ合う部分は酷く熱を持っている気がして、外に出る直前手を離さすのを名残惜しく思えばほんの瞬間でも長く相手の指先に触れるように手を離し。
「…悪い、あの外国人に用あったんだろ?…でもあいつにまであんたをお気に入りにされたら俺が組織に何を言われるか分からないから…」
(“邪魔をした”と勘違いも交えて、自分の行動に適当な言い訳をつけると監視が気になることもあり目もあまり合わせることなくその場を後にして。
(寺子屋に向かう途中、一件の長屋から出てきた兄と出会しては丁度仕事終わりとの事。
『あれ?もしかして酔ってる?』
「もうほとんど醒めた。…さっさと寝たい」
『はは、今夜はよく眠れそうだね。…ところでさ、爛とはどうなの?』
「……さあ」
(短く返し、まともに話せないのに“どう”なんて分からないとまで考えはっとなると兄に顔を向け「凛、少し頼まれてくれないか?」と。
首を傾げながらも頷いてくれた兄と共に自室に帰っては、兄に茶を出してから自分は机に向かって相手宛の文を書く。
内容は、組織の対立で孤児荘の子どもが人質に取られ監視もあるから相手とは公に近づけないこと。勿論子どもと相手には危害が及ばないようにする旨を記して。
ここに一言相手への想いをしたためる可愛げはなく、業務連絡のような文を『かわいい弟に会えるの楽しみだなー』と零す兄に託して。
(一方外国人、此方の生意気な態度に機嫌を悪くし外へ出ては、相手を見つけるなりその肩を掴んで『さっきの見せ物は素晴らしかった。あの取引主よりうんと良い待遇をするから私の元へ来ないか?』と銀髪に指を滑らせながら白い歯を見せて。
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