xxx 2016-05-20 12:45:36 |
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(夜風にあたり火照りが少し落ち着き今度は睡魔が襲ってきたころ、突然何かが髪に触れては不快感から眉を潜めうっすら閉じていた瞼を上げるも、まだぼんやりとした視界と思考ではそれが何か分からず。
次いで耳元で囁かれる言葉もほとんど聞き取れておらず、前半だけ聞き取れば「……なんでも」と小声で復唱し思い浮かべるは相手のこと。
ほぼ無抵抗で立たされながら無意識に欲しいもの_相手の名を口にしていて。
『…蘭?…いや爛、先程の青年のことか。彼も素晴らしかったな。あの取引主の手元にあると思うと妬けてしまう。買い取りは出来ないと言っていたが何としても手に入れたいな』
(相手のことを語る男、それに対しての嫌悪感からか徐々に意識がはっきりしてきて此処で初めて外国人を認識すると驚きで反射的に逃れようとする。
が、如何せん足が言うことを聞かずにもつれてしまい外国人の方へ倒れては、外国人も突然の抵抗に対応が遅れ、外国人を下敷きにする形で派手に転倒して。
数秒後、『イタタ…』と呻く声にはっとなってはすぐに身を起こそうとガバッと起き上がるも何故かグンッと下に引っ張られる感覚が残り疑問に思うがすぐ解決する。
今日は和服、袖も長い。あろうことかその右袖が倒れた際に男の下敷きになって、その状態で自分が勢いよく起き上がったため引っ張られた所為で右肩から着物がはだけてしまっていて。
更には転倒の際に髪留めが緩んだのか長い髪がパサリと落ちる。
「……わ、悪い。突然あんたがいて、驚いて……」
(謝罪を口にしながら早くこの恥ずかしい状況を何とかしようと下敷きになった袖を引き抜こうとした瞬間、襖が開かれ相手とばっちり目が合っては咄嗟に“違う”と否定しようとするも下手に動いたせいか酔いと同時に気持ち悪さまでぶり返し言葉は空を切って。
代わりに外国人が何を思ったのかニタリと笑み『丁度いいところに来たな。君も混ざるかい?』と。
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