xxx 2016-05-20 12:45:36 |
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( 相手が戻って来るなりここで初めて相手と言葉を交わす事になるが相手に注がれた酒をじっと見詰めては中々口にはせずにいて。
この酒に関しては器から何から最初から置いてあったものだし先程取引主に進められた酒を口にしたばかり、だか相手の事。
気付かない内に薬を含ませる事など容易いだろうと疑心は解けずに眉間に眉を寄せたまま酒をじっと見詰めていて。
運ばれて来た椀に外国人が『おお来たか、先日日本に来た時にこれを食べたんだが実に美味しくてね』と得意気に語り出す。
蓋を開ければ豪華にたっぷりのウニが乗せられた煮物。
今目の前で運ばれて来たこの椀は安全だと判断したものの実はウニが苦手で。
『ほら、君も食べてみたまえ』
( にこやかに進める外国人の言葉に取引主も進めてくるも中々口に出来ずにヒヤリとする。
相手も席に戻され煮物を食べる様に進められるも中々手を付けない自分に不審に思った様子。
『爛、どうした。お前達の為にわざわざ頼み込んで貰ったんだぞ』
「あー…、あぁ…」
( 流石にここを回避するのは難しいと判断しては先に酒をぐいっと煽りその勢いでぱくりと口に含みごくんと飲み込んで。
動物故に感じたのか、鼻に抜ける様な薬っぽさを感じたが身体に異変も無いし気のせいかと。
『どうだ、美味しいだろう』
「………あー、…とても」
( ぎこちなく微笑みなんとかその場を回避してはふうっと胸をなで下ろすも、その硬い感触に銃の存在を思い出し。
相手を撃つだなんて考えられないが相手組織の者に都合良く出くわすなんて想像つかない。
なんとかやり過ごす事を考えながらも外国人との話に愛想笑いを浮かべては次々運ばれてくる料理に警戒しながらも少しずつ口にして。
( 会食も終盤、外国人はやはり相手にべったりで仲居を呼ぶなりかなり強めの酒を自分や相手、取引主に気付かれない様に注文して。
先程まであったとっくりと全く同じとっくりではあるものの中身はかなり強い酒。
相手の御猪口に酒を注いでは飲むように促すも、自分はその強い酒の匂いに気付き、無意識の内に咄嗟に御猪口を持つ相手の腕を掴んでいて。
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