xxx 2016-05-20 12:45:36 |
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(馴れ馴れし外国人に嫌悪感を抱きつつ嫌な顔はせず適当にあしらう。
が、相手が能力の開放を命じられては不快感から表情が険しくなって。
反して優美な相手の狼の姿を目にした外国人は一気に相手に魅せられ、やや興奮気味に取引主に詰め寄り。
『今のは何だ??もう一度見せてくれ。実に美しかった』
『そうだろう。私も一目で気に入ってね。__爛、まだ席に戻っていいとは言ってないぞ。もう一度やるんだ』
『彼、剣技もできるんだろ?………どのくらいで譲ってくれるかな?』
『申し訳ない。奴はいくら出されても譲る気はない』
(笑って下世話な話をする男達に見えないところで拳を握りしめては、これ以上相手が晒し者になるところを見ていたくなく「少々御手水へ」と一言残し席を外して。
(部屋を出てすぐ、見張りで立っていた自分の組織の者に肩を掴まれては休むこともできず諦めてそちらに視線だけやって。
『何をぐずついてるだ。薬を盛るなら今だろ』
「あの取引主は彼奴(相手)を手放す気はない。騒動を起こすだけ無駄だ」
(きっぱり言い切ると組織の男は苛立ちに顔を歪めるが、仲居が次のお膳を持ってくるのを目にしてはニタリと笑い、此方が止める間もなく一つの椀にあの薬をいれて。
薬はあっと言う間に溶け見る影もなくなれば、驚く仲居の懐に高額の札を差し入れ『この椀を銀髪の餓鬼に配膳しろ』と有無を言わさず命じる。
仲居はこういったことに慣れた様子で頷き、部屋の襖を開けては淑やかに配膳し、きっちり薬入りの椀を相手の席に置いて。
相手は丁度取引主に促されもう一度能力を開放しているところ。
このまま席に戻ってきて椀の食事を口にすればまた苦しむことになる。
しかし食べるのを止めるにしても大っぴらにすれば、また助けたとして孤児荘の子どもが危ない。
何とか分かりにくく_と考え何食わぬ顔で部屋に戻っては、もしもの為に用意していた中和薬を死角で酒の入ったとっくりに入れると丁度席に戻ってきた相手の御猪口にそれを注ぎ入れ「お疲れ様…」となるべく不自然のないよう差し出して。
しかし相手とは気まずい仲。この状況事態不自然そのもの。
内心では頼むから椀を口にする前に飲んでくれと祈る思いで。
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