xxx 2016-05-20 12:45:36 |
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(普段からは想像が付かない弱々しい態度で謝罪され、少しでも相手のことを疑っていた自分が間違っていたのかと罪悪感で胸が締め付けられる。
去りゆくのを引き止めそうになるのを堪えるが、その後は子供たちに指摘されるほど上の空で。
(夕刻、呼び出されていた組織の元へ行けば、リーダー格の男は大層ご立腹で、取引主が相手組織との取引をほぼ決定したことをなじられる。
あんた等だって余計な手出しをしただろと反論の言葉を飲み込み大人しく愚痴混じりの罵詈雑言を聞き入れていると、突如目の前に先日相手を苦しめた飴に見立てた薬をばらまかれては眉を顰め。
『それをまたあの餓鬼に飲ませろ。何、水にもすぐ溶ける代物だ。飯にでも混ぜれば良い。それは飲めば飲むだけ中毒性も脳への影響も強くなる。見境がなくなり問題が続けばさすがのあの取引主も手を引くだろ』
「そんな…_、もし町民にまで影響が出てこの薬を仕込んだのが俺達だとバレればこの組織の評判が下がる」
『そんなもの、お前の能力を持ってすればどうとでもなるだろ』
「…能力は使わない。組織と契約するとき、そう約束した」
『どうだか。本当は能力を使って俺達を良いように扱ってるんじゃないか?……まあ良い。兎に角今回の計画は実行して貰う。見張りとして取引先の護衛の中に組織の者を侵入させておいたから下手なことは考えるなよ』
(絶対に受けたくない仕事だったが孤児荘の子どもを人質に取られている以上逆らえずに、床に散らばる薬をザッとさらって内ポケットにしまうと部屋を出て、気の進まないまま取引主の屋敷へ向かって。
(取引主の部屋に着くと既に相手は居て、一瞬目が合うがいたたまれなさからすぐに逸してしまい、取引主に指定された場所に座って。
『遅かったな。…それにしてもその暑苦しいコート、脱いだらどうだ』
「見た目より通気性が良い」
『見てるこっちが暑苦しいわ』
(脱げと言われ、至極面倒そうな顔を隠さず立ち上がっては仕方なしにコートを脱ぎ簡単にたたむも、その際に内ポケットにしまっていた薬が一つ転げ落ち相手と取引主の丁度真ん中あたりで止まり、ヒヤリと冷たい汗が流れる。
取引主は始めなにか分からなかったようだが、すぐに何か悟ったのか厳しい顔つきになって。
『まさか、お前だったのか?爛を陥れて騒動を起こしたのは』
「…だったら何だ」
(白を切っても仕方ないだろうと無表情で言いながら、薬をあまり相手の目に触れさせてはいけないと床に落ちた薬に手を伸ばして。
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