xxx 2016-05-20 12:45:36 |
通報 |
>
( 冷たい言葉で突き放す相手をぼんやりと見詰め、子供達が相手を呼ぶのに気付き其方へ向かおうとする相手の手を咄嗟に掴めば眉を寄せ小さな声で「……………傷、と指………ごめん」と呟き。
そのまま寺子屋を急ぎ足で後にしては孤児荘の入口付近にて自分の組織の男が立っており何事だろうと駆け寄る。
『おお、爛、出来したな。組織の頭領はお前を褒め称えていたぞ』
「なんでだよ…取り引き失敗したってのに」
『逆だよ、今回の騒動でお前を化け物だと恐れた者も居ればその逆もいるという事だ。取り引き先のあの男はお前を気に入ったみたいだぞ、今日の宵屋敷に来いとの事だ』
( 男が懐からチラリと見せたのは1丁の銃、どうやら取り引き先の男がこれから長い付き合いになるからと1丁だけ売ってくれた様で。
組織の男と別れ取り引きが破談にならなかった事に安堵しながら孤児荘へと入れば子供達の騒がしい声が聞こえ何事かと。
『あら兄さんお帰りなさい。見てこれ!素敵なお着物に…わぁ!外国のお菓子よ!』
『美味しそう!僕これ食べたい!』
『今日の夕飯は豪華だぞ!』
( 大量の食料や衣服、文房具やらが詰められてた大きな箱の送り主を見ればどうやら送り主はあの取り引き先の男。
“そういう事か”と子供達が人質に取られてる様な感覚を覚えるも組織の事もあり逆らえる様な立場には無く一度部屋へと戻ればそのまま夕方まで眠りに付いて。
( 夜、言い付け通り屋敷へと訪れてはまだ自分を気持ち悪そうに接してくる使いの者や護衛達に嫌気を感じながら中へと入る。
取引主はどうやら相手の事も呼んでいる様で『揃うまで待て』と言われては大人しく腰を下ろし俯いていて。
『体調はどうだ』
「………あの、」
『昨夜の事なら気にするな。何、庶民になんぞ好き勝手言わせておけ』
( 言葉を遮る様に言われてしまえばそれ以上何を口にする訳でも無く、再び俯いて。
トピック検索 |