xxx 2016-05-20 12:45:36 |
通報 |
>
( 相手でさえまともに認識出来ず、只取引主の隣にいた事から“見世物屋の店主の仲間”と判断しては担ぎ上げられるのに激しく抵抗するも薬による頭痛のせいでちゃんと動けずにいて。
路地裏に連れられ頬に手を添えられては恐怖にビクッと肩が震えるも先程の唸りや警戒は僅かに解け相手の名前などこの状況で思い出せる筈も無いのに無意識に「……………き、」と言葉に出ていて。
その刹那、竹筒の水を一気に流し込まれたと思えば喉元を掻き乱される様な感覚にのざえながら何度も何度も咳き込む。
水と一緒に吐き出されたのは先程の飴の色でもある独特な緑色の液体。
頭痛はまだ残る物の興奮状態が解けたせいか姿もちゃんとした人の姿で、ハアハアと呼吸を整えながらもゆっくりと顔を上げる。
先程の事が頭から抜けてる訳では無く、今この状況に見世物屋の店主がいる筈もない事を冷静に思い出しては錯覚か何かに合っていたのだろうと瞬時理解して。
自分の顔を覗き込む相手の手は鋭い牙により血だらけ、僅かに慌てた様に表情を歪めながら相手の腕をぐっと掴んだ所で腕に巻かれた包帯に気付き眉を潜める。
無言で包帯を乱し目に入ったのは刀傷、これは確かに以前自分が依頼の時あの“人影”に付けたもので位置も全く同じ。
目を見開き、血だらけの指とまだ痛々しく残る刀傷を目にしては薬の成分が完全に抜け切ってない事もありわなわなとしては相手から距離を取る。
「あ、……………俺…あんたの事……………、斬っ………」
( 言葉にならないままズルズルと後ずさるその様子は悪い事を仕出かしたのがばれた餓鬼のようなもので。
謝罪の言葉が頭にあるものの言葉になってくれずに立ち上がっては逃げる様に駆け出して。
( 翌日、あのまま逃げ帰ってくるなり孤児荘の自室にてすぐに眠ってしまった様で。
目が覚めるなりツキンと頭痛が走るも大したものでなく風呂に入り身体を流してはぼんやりとして。
取り引き先には見離されただろうか、それなら自分の組織の者はご立腹だろうな、何よりまず相手に会わなければ、謝らなければ。
しっかり順序も決めずどこか気持ちが不安定なまま孤児荘を後にしては無意識に寺子屋へと足を急がせていて。
トピック検索 |