匿名さん 2016-05-12 23:16:13 |
通報 |
「ひゃ!?」
女の手からランプが離れ、軽い音を立てて地面に落ちた。すぐ近くの木の枝から、のっそりとした影が幹を伝って下りていく。
―しゅるしゅるしゅる…
それは舌をちらつかせた大蛇のようであった。女は突如視界に入った巨体に驚き、ランプを取り落としてしまったのだった。しかし、大蛇のほうは害を成す気はないと見え、そのまま女の前を横切り、茂みへと消えていった。
「吃驚した…。」
ともかく、落としたランプからは火が消えてしまった。辺りは真っ暗でろくに物が見えない。
女は手探りでランプを拾いあげるも、手元も闇に染まっている為、新たに火を付けることも難しく、途方に暮れた。
「どうしよう…。」
時折、吹き抜けていく夜風にうすら寒さを覚えつつ、辺りを見回す。どこかに空が開けている場所はないものだろうか。今夜は満月なので、空を覆う木枝さえなければ、地表には月明かりが降り注いでいるはずなのである。
女は立ち上がると、さっきよりも足元に気をつけながら、木々を手で辿って再度、歩き始めた。そして、少し進んだところで何処からか聞こえてくる儚げな歌に気付いた…―
*―*―*―*―*―*―*―
素敵な出だしに惹かれ,
主様の応答を待たずに,
続きを書かせて
貰ってしまいました.
迷惑だったら御免なさい(><;)
完結迄,行けると良いですね.
トピック検索 |