藤村伊織 2016-05-07 12:59:57 |
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あ、……すまない、ゴミが付いてたから気になっただけだ。
(何もこんなタイミングで目を覚まさなくても。視線がかち合うと目を見開きこの状況を一体どう説明すべきか考えながら何度か瞬きを繰り返し。あくまで毛布をかけたついでに髪に付いていたゴミをとっただけ、苦し紛れの言い訳を零して咄嗟に手を離そうとした矢先その行動は相手によって遮られてしまい。ただ寝起きというのも関係しているのだろうか、相手の表情からは険しさは感じられず、それどころか優しく笑みまで浮かべている。自分が体調を崩しているから今日は大目に見てくれているのだろうか。そんな曲がった考えをぐるぐる彷徨わせているうちに聞こえてきた言葉、少し強く握られた手。頭が熱くなる。未だ自分を心配してくれているようなその言葉にぎゅっと胸が苦しくなる。いつもみたいに突っ撥ねてくれた方が楽なのにどうしてこんなに優しくするんだ。調子が狂って仕方ない。体力を奪われているせいで掴んでいる手を振り払う事も出来ず、こうなったらもう一度寝てしまおうと相手にボソリと言い放ち)
…お粥、美味かった。……、俺はベッドに戻る。お前も此処で寝るならちゃんと布団で寝る事。…とりあえず、手を離してくれ。
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