藤村伊織 2016-05-07 12:59:57 |
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…ん……、カブ…キ…?(浅い眠りの中、閉じられたままの瞼の向こうに人の気配を感じ。前髪に優しく触れられる感覚にゆっくりと目を開けると、ぼんやりと相手の姿を捉え。寝ていた筈の彼が何故目の前にいるのか。覚醒していない頭では分かる筈もなく、己の前髪に伸ばされている手を反射的に捕まえ、ぼんやりした眼差しで相手を捉え。そこでいつの間にか掛けられている毛布にふと気付き、相手が掛けてくれた事を知り。更に視線を少しずらせば、テーブルの上で空になった器が確認出来て。少しは食欲が出る程度には楽になった事と彼の然り気無い優しさに触れた事の両方で嬉しさや愛しさが込み上げる。寝起きのふわふわした感覚も加わり、柔らかな笑みが自然に零れ。掴んでいた手をきゅっと握ると、今度は空き手で額に触れて熱を確認し。未だ少し熱いものの、ピーク時に比べ随分引いたようで、安堵の息を洩らしながら穏やかな声音で語りかけ)
…少しはマシになったみてぇだな。
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