藤村伊織 2016-05-07 12:59:57 |
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わかった。お前はさっさと治す事だけ考えてろ。(相手が瞳を閉じると暫しぼんやりと眺めていたが、後で粥を作ると相手に伝えたのを思い出し。静かに寝室を出るとキッチンに向かい、調理器具や食材を適当に使わせてもらう事に。さて、粥といってもどんなものにしようか。レシピに頼るべくスマホを取り出せば「風邪にオススメの粥…、と。色々あんな…。…お、コレなんかいいかもな」などと独り言を口にしつつ栄養素が高そうな卵と野菜の粥に決め、レシピとにらめっこしながら早速取り掛かり。手慣れている、とは言い難いが、味見をしながらどうにか完成させ。自分の中では中々の出来映えに満足そうな笑みを浮かべれば、出来上がった粥を寝室まで運び。相手の様子を窺うと規則的な寝息が確認できて。上気した頬からして未だ熱は下がっていないようだが、見たところ苦しそうな様子はない事に安堵し。折角眠っているのに起こしてしまうのも気が引け、粥をテーブルに置くと、相手に背を向ける形でベッドを背凭れに。ちらりと振り返り、寝顔を見つめる。元々綺麗な顔立ちをしているが、寝顔は何処かあどけなさを含んでおり、思わずふっと笑みが零れ。自然と相手の髪に伸びてしまう手に気付いた瞬間はっとし、触れずにそのまま元へ戻し。そわそわと何となく落ち着かずにいたが、静まり返った部屋に響く小さな雨音と時計の秒針のリズムに次第に眠くなり、腕組みした姿勢でベッドを背凭れにしたまま居眠りを始めて)
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