フルムーン 2016-05-03 02:16:08 |
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僕は気付いたら人間の部屋に居た。
僕は阿呆だ、誰が何と言おうと阿呆に違いない。人間の優しさとあの声に釣られ、今まで嫌だ嫌だと可哀想とまで言った飼い猫同様に囲われてしまうなんて。
混乱と後悔の最中、またあの柔らかな声が部屋中に優しく響く。
「お客さんは魚はお好きかな、にしんしか無くてすまないね。」
もう騙されはしないぞ、僕は人間に囲われたりはしない。
目の前に置かれた器に入った二匹の焼いたにしん、自然と近付いた人間に僕は威嚇した。
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