…小さく笑みを溢す青年、僕は何事かと真上の顔を見上げた。「鰻で喜んでくれるとは、今日は吉日かな」そうだ、青年はこんな所があった。僕の言葉は猫がよく、にゃあと言っている言葉と同じ言葉を発している筈。なのに決まって、理解している様な口振りで話すのだ。変わった人間も居たものだ、今まで見た事も聞いた事も無い。猫の言葉がわかるなんて、とんだ変わり者だ。そうこうしている内に空は茜色に染まっていた。