医者が来て、横たわる聡一郎の診察とやらを始める。騒動で僕の存在は忘れてしまっているのだろう、青年の母親はただ青い顔で青年を見下ろしていた。僕はといえば、部屋の隅でただひたすら祈っていた。僕はまだ青年の言い掛けた言葉を聞いていない、どうしたら青年は苦しまないのか。僕が一体、青年に何をしてやれるのか。神が居るとするならば、青年ともっと一緒に居たい。もう、一人は嫌だ…と。