絵琉 2016-04-24 20:33:08 |
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「おい」
「何だ」
「鍵忘れた」
「え」
流石に驚くよな、帰ってる途中で言われたら。でも事実。学校じゃなくて家に忘れてきた。だけど、親は仕事。姉ちゃん多分遊んでるから朝帰り。...つまり、OUT☆
「何処にだ」
「家にだ」
「親は?」
「仕事」
「姉さんは?」
「朝帰り。多分遊んでる」
半分呆れたような視線を送られる。うわ、何かすげー悲しい。ってかどうしよ。流石に家の前での野宿は虚しい。
「来るか?俺ん家」
「え」
転入してきたばかりの奴を家に上げるか?普通。女子同士ならありえるかもしんねーが、一応女子に入るんたよな、俺。
「一人寂しく閉め出されるか、家に来るか。どっちだ」
「すまん。お邪魔さして下さい」
「おう」
今の2択はずるいだろ。絶対前者を選ぶ奴はいない。有無を言わさず家行きってことだな。まぁ、見放されるよりか全然良いんだけど。
ーーーーーー
「着いた」
「おー、此処かー」
「ん。親いるから挨拶くらいしろよ?」
「わーってる」
ガチャッ
「ただいま」
「お帰りい」
「お帰りんご」
影山が声を掛けると、両親が出てきた。勿論俺の方に目がいくよな。
「飛雄、その子は?」
「あー、昨日転入してきたクラスメイト。鍵忘れたらしいから連れてきた」
「...ちわっす」
ちょっと気まずくて母親から目を逸らす。普通は転入したばっかりで上がり込むなんて無いもんな。
「へえ...名前は?」
「影山静香っす」
「影山ぁぁあああ!?」
うん、予想通り。...より、まあ反応はでかいな。皆こうだから既に慣れたけど。
「うす、宜しくおなしゃす」
「了解っす」
敬礼を返してくる母親。なんかノリ良いな。わりと話しやすそうかも。
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