絵琉 2016-04-24 20:33:08 |
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in体育館
「ちわーっす!」
「遅れてすんません」
「連れてきたぞー」
入っていくと、日向達に怒ったような先輩達の視線が降りかかる。
「日向あ、お前1年の癖して何遅刻してんだよ。あ゛?」
「すっ、すんません田中さん!」
何あの坊主の人。怖そうだけど頭悪そう...なんかウケる。
「田中さんも東峰さんがいなくなってから来た癖に」
メガネのっぽが小声で言う。にしても、アイツも背高いな...
「なんだとコラァ」
「事実デショ」
「そうだよね、ツッキー!」
一通り田中さん?達が話し終えた後に、俺がいることに気づいたらしくこっちを見る。気づくの遅くね?いや、気づかれたくもないけどさ。
「女子マネ希望の子かな?」
さっきの坊主が声色を変えて近づいてくる。何その言い方。
「うざっ」
思わず溜め息をついてしまう。この人はよくわからないけど、何か気持ち悪い。
「旭、どういうことだ?」
にっこりと笑顔で東峰さんに近寄る先輩。何あの黒い笑みは...普通に怖いんだが。
「あ、大地。これは、えっとだな...」
体育館まで案内してくれたときは普通だったのに、かなりの豹変ぶりだ。表すなら...小心者。
「バレー好きなんで、ちょっと見せてもらおうかと思ったんですが、やっぱりお邪魔ですかね?」
仕方なしに口を開く。普通は東峰さんが言ってくれるんじゃ...と思うが、あの調子じゃさっきの先輩に睨まれたまま固まりかねないしな。
「ははっ、そういうことか。いやあ、すまんすまん。こいつがへなちょこすぎて申し訳ない」
東峰さん...へなちょこって呼ばれてるのかよ......。
「いえ、へなちょこに関しては別に気にしてないので大丈夫です。それで、見学させてもらっても宜しいでしょうか?」
「1年にへなちょこって言われた...」
相当にへこんでいるのが見える気がするけど気にしない。うん、気にしない。
「おう、勿論。俺は3年で主将の澤村大地だ。宜しくな」
見学だと言った途端、優しそうに微笑む先輩。良かった、思ったよりも怖く無さそうだ。
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