風人 2016-04-04 04:41:02 |
通報 |
小説『パトレイバー』四巻「ブラック・ジャック(前編)」ではいくつか伏線が張られてる。
特車二課の解散や再編はないと安堵する野明や遊馬だがふたりは休日に後藤隊長が住む団地を訪ねたことで隊長のプライベートに触れる。
これはアニメなどではほとんど触れらなかった一面。漫画版で後藤隊長が団地に住んでる場面はわずかにあったと思いますが。
そして野明の勘によるものか後藤隊長がかつて結婚していたのではないかと察する場面。
これ若い時に読んでた時は女性の勘とは思わなかったがあらためて読むと“女性の勘”として書かれてるぽい。遊馬はそれに気づかないのか。
野明たちと共に外出しそのままぶらりとどこかへ行った後藤隊長の行き先は先輩でありかつて義兄であった築嶋がいる居酒屋だった。
この築嶋なる人物がまた乙訓とつなぐ。
そして『パトレイバー』の世界で起きた地震。地震後は大いにレイバーが活躍した背景は作品中やナレーション、あらすじなどでも語られるが。
警視庁、公安、後藤の五日間の不在、乙訓の存在、築嶋と後藤の過去と現在などが「ブラック・ジャック」は複雑に絡む。
他人の過去を知る無垢さと未熟さ、なにを目的に知りたかったかと葛藤する……。
反面、野明や遊馬が若い世代だから未熟さもあるけど前向きなんですよね彼ら。
書き手はちがうものの『TOKYO WAR』(映画ニ作、著:押井守)につながるぽく横手美智子さんは書いてるのが伝わる。
再編という言葉を耳にすることで悩もうとしてる姿勢に大人になろうとしてる姿勢や葛藤がみえる。
トピック検索 |