mey。 2016-04-02 10:13:09 |
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二章 監禁
なんでこんな事になったんだろう、よくよく考えてみれば可笑しな話だ。ついさっきまで、楽しく皆とお散歩だったのに。いつの間にか、一松兄さんもトッティも、皆暗くなってしまった。なんとかその場を盛り上げようと負傷した腕を抑えながら、ぱたぱたと片腕を振ろうと試みる。けれど、それを遮るかのような一松兄さんの冷たい目線。流石の自分でも分かる、凍り付くような目だ。若干焦りが見えてきた中、おそ松兄さんが何か提案を出した様だ。すると欠かさず、僕の隣に居たカラ松兄さんがそれに答えるように小さく口を動かした。
「まず、歩いていただろ?俺もあまり覚えていないんだ、あまりに暑すぎて休憩を言おうにもタイミングが無くてな。暫く我慢していたんだがなんか凄い眠くなってきて、気付いたらこの有り様さ。」
そうそう、僕も同じような感じだ。必死に首を縦に振ると、小さな声で“一松兄さんもだよね”なんて耳元で語りかけるように話しかける。当然、返事は帰ってこないが。
『そっかぁ、他は?』
「あ、僕もそうだよ。歩いてて、僕もあまりの暑さに休憩がとりたくなったんだ。でも、休憩する前になんか後ろから殴られたみたいで。それからは、同じ。気付いたら此処に居たって感じかな」
続いてチョロ松兄さんが淡々と冷静な口調で話し出すと、おそ松兄さんは疑問そうに眉を潜めた。小さくため息をはき、再び僕たちに質問を投げ掛けようとした時のことだった。耳を塞ぐような大きな機械音が冷たい鉄の床に反射して、甲高い音が部屋全体に響き渡った。その途端、アナウンスのような声が天井付近にあるスピーカーから流れ出す。
[六つ子の皆さん、おはようございます。貴方たちは監禁されました、出たければ私の命令にそって動いてください。]
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