ムーン 2016-02-18 17:52:07 |
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さてっと!次は本屋に寄ってギルドでも行こうかな。
今まで本屋と言う所は来た事が無かったが色んな物があるな。
興味が全くなかったと言えば嘘になるが、俺が知りたい事は全てロジャーや他の皆が教えてくれたから必要性が無かっただけだ。
魔物に関しても出会った魔物は全て説明を受けていたし、属性ごとの弱点も教えて貰った。
魔石や鉱石もそうだ。どう言う使い方をするのか、どう言う物と配合をすれば効率が良いのかとか、必要最低限の事は教わっている。
でもそれは人大陸での事であり、魔大陸に関してはど素人と言って良いだろう。
そして今は教えてくれるロジャー達はいない。
自分で調べて、自分で考えなければいけないのだ。
まずは手始めに魔物に関しての知識だな。
どの本を買おうか、俺は手当たり次第に本を手に取る。
《魔物大全集》これは良いかも知れないな。手に取り中を開いてみると、文字がびっしり書いてあるだけだった。写真なりイラストなり載ってないと分かんねぇよ。
《魔物の名前と特徴》・・・・。分かり易いっちゃ分かり易いんだが…、なんだこれ?
子供の落書きか!って程度のイラストが描いてある。
これで大銅貨五枚とかボッタクリだろ!
《草原の魔物》これは!分かり易い上にイラストも丁寧だぞ!
でも草原だけか…。値段はっと…ふむふむ、大銅貨三枚か。安いのか?分からん。
あっ、これはシリーズ物か。他には…《山にの魔物》《森の魔物》《海の魔物》…各大銅貨三枚なのね。
全て買うとしたら一銀大銅貨二枚か。うん。これにしよう。
少々高い出費だが今後の事を考えれば元が取れるだろ。
俺はこの《魔物シリーズ》を手に取り、会計まで持って行こうとした時に視界に入った物があった。
《錬金術の基礎と配合》。思わず手に取り中を見ると、基礎となる魔法陣の詠唱呪文や材料等が書かれている。
詠唱は作る物によって違うらしい。はて?俺は詠唱なんてしてたっけか?
答えは「否」だ。
俺は自分が想像した物しか作れないのだ。
俺が知ってる範囲であり、あれが記憶している物しか作れない。
だけどそれは前世での記憶であり、ゲームの記憶でもある。
そう考えると凄ぇチート能力だよな…。
だがこの能力をひけらかすと厄介事が舞い込んでくるのも承知している。
だから俺はなるべく使わない様にしてきたんだ。
誰構わず人助けをする様な正義の味方でもなければ偽善者でもない。
利用されるのは真っ平ごめんだ。
でもさ、ロジャー達は気付いてたはずなんだよな。
それなのに俺の事を利用しようなんて考えてなかったし、俺の安全を第一に考えてくれてたんだよ。
だから俺も、ロジャー達の為に何かがしたい。そう思ったんだ。
錬金術で作った高性能な武器を渡したら喜ぶかな?喜んでくれるよな。
迎えに来てくれるまでに最高傑作を作ってみせるぞ。
うん。でも高いな…これ。
ええい!必要経費だ!ケチケチするな!
自分で自分にカツを入れ、合計二銀大銅貨二枚を払った。
魔術の本はまた今度と言う事で…。
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