ムーン 2016-02-18 17:52:07 |
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その後少ししてから、俺はローズの所に行き、
「さっきは言い過ぎました。ごめんなさい」
ローズは勝ち誇った様な顔をして
「分かればいいのよ。気にしてないわ」
そう言って両手を俺の方へ差し出してきた。
この場合、ローズの気持ちを察するとしたら、シルバーを抱かせろ、と言う事だろう。
当然却下だ。
無言で手を伸ばすだけなんて有り得んだろ。
さっき俺が言った良い話し、全く聞いてなかったようだな。
俺はお前の下僕じゃない。
ちゃんとお願いしないと抱かせないよ~。
と言わんばかりに、踵を返しその場から立ち去る事にする。
「ちょっと待ちなさいよ!」
「なんですか?僕はちゃんと謝りましたよ?では、失礼します」
「えっ?」と言う様な顔をして口をパクパクさせていた。
「だから待ちなさいって言ってるのよ!」
「何か用事でも?」
なんかちょっと面白くなってきた。
シルバーを抱きたいけど抱かせてとは言えないローズとのやり取りがだ。
チョットした悪戯心が芽生え、俺はシルバーを下におろす。
それを見たローズが抱き上げようと両手を下へ向けた時に。
「シルバー。先に皆の所に帰っといて」
『わん(わかった)』
スタスタとシルバーはロジャー達の所へ戻って行った。
「で?用事は何ですか?」
ポカーンとしてるローズに向かって聞いた。
彼女は少し中腰になって固まっている。
「もしもーし」
ローズの目の前で手をヒラヒラさせて正気に戻すと
「アンタに用事なんてないわよ!さっさと戻りなさいよね!」
怒鳴られた。
本当素直じゃないよな~。
用事がないなら戻るとするか。
皆の所に戻ると、ジト目で見られてしまった。
「まったく…。お前は大人なんだか子供なんだか分からん奴だな…」
と、ロジャーに言われてしまった。
うん。自分でもそう思うよ。ロジャーさん。
「シルバー、おいで~」
『わん(忙しい奴だな、お前は…)』
俺はシルバーを抱きしめ、モフモフを堪能しながら夜は更けて行った。
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