ムーン 2016-02-18 17:52:07 |
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あれから半年が経った。
半年の間に、周りの様子を注意深く伺い、大人たちの会話にも聞き耳を立て、少しづつ、情報を収集した。
その結果、どうやらここは『アルテッド王国』と言う国らしい。
そしてこの国には、人間だけではなく、『獣族』『魔族』と呼ばれてる人もいる。
俺の世話をしてくれてた人は『獣族』だったと言う事が判明した。
獣族は、どこかしらに動物の名残があるらしい。
俺が今までに見た獣族は、牛の顔をした女性(ミルク担当)と、犬の様な耳と尻尾が付いてる女性(遊び担当)。
それと、蛇の様な鱗に覆われてる男性(医者の様な役割の人)
ほかにも数人いるけど、後は人間のようだ。
獣族とは言っても、決して奴隷のような扱いではなく、普通の人間と同じように暮らしている。
まぁ、それだけでも驚いたんだが、それ以上に驚いた事がある。
この国の、いや。
この世界の人達は、みんな魔法が使えるらしい。
魔族が魔法を使えるのは不思議じゃない。
獣族が魔法を使えても、俺は納得するだろう。
だって、普通じゃないんだもん。
獣族事態が、俺にはありえん人種だし。
まぁ、ここまでは100歩譲って頷こう。
あり得ない事に、人間までもが魔法を使えるってんだから驚いた。
俺の居た世界ではあり得ないよ?
アニメの中だけだよ?
ふふふ。
だけどな。俺の頭は柔軟なんだよ。
10000000000000歩譲って、魔法が使えるとしよう。
俺が考えるに、そいつらはみんな『超能力者』だ。
でも、そうするとさ。
人類全員が超能力者って事になってしまう。
んん~・・・・。
この設定、無理があるか…。
だけど俺は見たんだ。
ある日、乱暴にドアを開けた男が、ドアの取っ手をもぎ取ってしまったんだ。
― ガチャッ
ドアを開けて男が入ってきた。
見た事の無い男だ。
男が勢いよくドアを開けたものだから、
― ドンッ!
ドアが勢いよく壁にぶつかった。
「あっ・・・・・。」
男はまじまじと、自分の手の中に握られてるドアノブを見ている。
「また壊したの?これで何回目かしらね」
「わりぃ…」
そう言うと男は、長い詠唱を唱えてドアノブを直した。
マジか!?
って思ったよ。
魔族や獣族じゃなくて、人間がだよ?!
それも、当たり前のように魔法を使ってるんだよ。
目を疑ったね。まったく。
って事はだよ。
俺も使えるんじゃね?
って思ったわけだ。
動けるようになったら、ぜひ試してみよう。
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