ムーン 2016-02-18 17:52:07 |
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魔力切れの俺とファインさん。
このまま先に進むのは危険と判断し、次の階層への扉を開き、階段の途中で魔力が戻るまで休む事になった。
何故か階段だけには魔物が現れないんだわ。
まぁ、要は休憩と言う名の野宿だけどな。
そんじゃおやすみ。
おはよう。
洞窟の中だから、朝なのかどうかは今一疑問だが、魔力が回復してるところを見ると朝なんだろうな。
って事で、腹も減った事だし、食料調達がてら先に進む事になった。
20階層より下に行くと、今までとは比べ物にならないくらいに、強い魔物達が朝の挨拶をしにやって来た。
スケルトン・スケルトンキング・ワーム(むかで)・巨大毒蜘蛛・等々。
奴らは群れを成さないからいいけど、一匹でもそれなりの強さがあるからな。
でもこいつ等、良い金になるんだってよ。
スケルトンは・・・置いといて。
ワームなら皮を剥げば、武具に加工できるからかなりいい金額になる。
毒蜘蛛の粘液は薄めれば薬になるし、歯は短剣に加工できる。
今回潜った分だけで、250万ルピで売れるらしい。
ってか、俺の取り分ってあるのか?
30階層まで来たあたりで、みんなの荷物がパンパンだ。
ここで一旦引き揚げて、獲った獲物を換金しようと言う事になった。
この間ファインが買った『帰還の石』を使い、マーキングしてから洞窟を後にした。
次回は30階層から始めるんだと。
吸血の剣は皆が欲しがったのでジャンケンになった。
勝ったのはクウだ。
負けた三人は悔しそうな顔だな。おい。
ワームの皮や毒蜘蛛の毒などを売った金額は、ロジャーの見立て通り258万ルピになった。
1人五十万づつで、残りの八万が俺の取り分だってさ。
少なすぎだろおおおおおお!!!
俺頑張ったよ?
魔力すっからかんになるまで頑張ったよ?
言いたくないけどさ。
俺のおかげでジャミラを倒せたようなもんじゃん?
それなのに八万って・・・・。
グレていいかな?
でもまぁ、一銭も貰えないよりはマシか…。
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はい。只今豪遊中です。
今回の各自取り分を分けた後、皆で晩御飯を食べに居酒屋のような所にやって来た。
もうね。飲めや歌えの大騒ぎ。
ロジャーは酒を樽で飲みだしてるし。
他の四人も何杯飲んだかわからん。
俺は子供だから飲めないって事で、アレ食えコレ食えと散々食わされた。
腹キッツ・・・・。
もう喰えねぇ…。
あぁあ。みんな酔っ払っちゃって。
なんか暇だな…。
もう帰っていっかな…。
ザワザワとざわつく店内の声が、ふと、耳に入ってきた。
「おい、聞いたか?あの噂」
「ああ。これからこの国はどうなるんだ?」
あの噂ってどんな噂だ?
「やっぱ、次期王は第一王子のシュレッダー様じゃねぇの?」
「いやいや。第三王子のジェイソン様だってー話だぞ?」
シュレッダーとかジェイソンとか凄ぇ名前だなコリャ。
実に切れ味が良さそうな名前だ。
「王様が病で臥(ふ)せってるって話だ。荒れるぜ?」
「内戦にならなきゃいいがな」
「内戦ならまだマシだろ。この隙を狙ってマルタが攻めてこないとも限らん」
「そうだな」
「それとよ。これも噂なんだが。
数年前に亡くなった第二王子のジェームス様。
表向きが病死だってぇ話だが、本当は暗殺されたって話だ」
「おいおい、マジかよ」
「ああ。あくまでも噂だがな。
自分が頼まれて殺ったって言ってた奴がいるんだとよ」
「マジか…。
で…、どっちが殺ったんだ?」
「ジェイソン様だてぇ話だ」
ほうほう。
この国の王様が倒れたか。
そんで跡目争いが勃発、か。
何処の世界も醜いねぇ~。
まぁ、俺には関係ないけどな。
「おーし!ボウズ。食べてるか!?」
「ボウズじゃないです…、ハルシオンです…」
「ハッハッハッハ。そういじけるなシオン!」
もう、何なんだよこの人達は…。
さっきまで俺の事なんて忘れてたくせによ。
まっ、いっか。
こう言う生活も悪くはないな。
そう。この時は本当にそう思っていた。
この生活がいつまでも続くものだと。
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