天ノ河 玉藻 2016-02-02 01:54:26 |
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その後、ジンはそのまま南側の森に向かった。
どうやら別々の場所で猟をして競争するらしい。
どちらが勝つのかは分からないけれど、少なくとも両方とも手は抜かないだろう。
「……森の動物達がいなくならないといいなぁ……」
一抹の不安を覚えて呟くのは、ジン達なら本気でやりかねないからだ。あれでも一応は、この村で一番と二番の腕を持つ狩人なのだから。
「大丈夫大丈夫。どうせ気迫に怯えて動物なんて出てきやしないでしょ」
「それはそれで問題なんだけどね……」
不猟は不猟で困る。
ジンの家は、猟で捕れた動物の肉を売ったりもしていて、僕らも毎度お世話になっているのだ。
新鮮で美味しい肉を提供できないとなると、保存の利く干し肉で何とかするしかない。
あれもあれでいいけれど、生肉ならではの料理が食べれないのは、少し物足りな気がする。
まぁ、シャミの料理はどれも美味しいので結果的に、肉が生だろうと、生でなかろうと、微々たる問題となるのだけれど。
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