どろろん 2016-01-06 21:12:09 ID:102ea816a |
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第6話
「えーっと取り敢えず、着替えの服と寝間着…歯ブラシ、櫛、ドライヤー…はあるか、シャンプー、リンス、タオル…はあるから、新のバスタオルも買っといた方がいいな…。」
「色々すいません。」
「いや、いいって。俺に頼まれたし…。」
「ふふふ。」
「あのさ。」
「はい?」
「あの…怒らないでよ?」
「はい。」
「あの…下着…とか…は?」
「なんですか?下着って?」
「ぇ?!」
「わかりません。」
「ええええー!」
そこからの俺は、往来で、身振り手振りの必死のパッチで下着の説明をする羽目になった。
「そうなんですね。」
「そうなんです。」
「それじゃ、それも買ってください。」
「ええええー!」
「駄目なんですか?」
「いや、そうじゃなくて…着替えとか寝間着は一緒に買っていいけど、下着とかは好みもあるし、その…。」
「なんですか?」
「…恥ずかしい…。」
「私は恥ずかしくありません。」
「いや、その…店教えるからさ、一人で選んで買って。お願い…。」
取り敢えずの買い物も済み、帰ろうとするとミウが突然立ち止まった。
「どうしたの?」
「これ…。」
「ん?」
ミウの指差した先には、プリンがあった。
「プリンがどうしたの?」
「おじいちゃんが、昔のプリンは今より美味しかったぞって。特に寿屋のは最高に美味しかった、って。」
「あー、寿屋のプリンか。確かに美味いな。」
「いいなー。」
「寿屋のプリン、食べたいの?今日はもう店閉まってるから、旅行の準備の買い出しの時、連れてってやるよ。」
「本当?!」
「ホント、ホント。」
「きゃあ〜♪」
という事で、買い物を済ませ俺の家に帰ったが、ミウはその道すがらスキップしっぱなしだった。
(続く)
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