どろろん 2016-01-06 21:12:09 ID:102ea816a |
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第5話
「あのー、ヒロシさん。実は…。」
「ん?何?」
ミウは言うか言うまいかモジモジして顔を下げている。
どうしたんだろう?
すると意を決したのか、顔を上げた。
「私、2085年の未来から来たんです!」
「へ?」
「タイムトラベルして来たんです!本当です!」
「は?」
今は2013年、えーっと、7、72年後??ナンジャソレ。
「それで困った事があればヒロシさんを訪ねろって。」
「誰が?」
「ヒロシさんが。」
「…。」
一瞬の沈黙。お互い目を合わせている。
「あのー、新手のセールスでしょうか?」
「違います!」
「あ、そぅ…。」
むぅ…。先を聞くか…。
「それで、困り事って?」
「お母さんが行方不明なんです!」
「はあ??」
話をよく聞くと、ミウがミウの母の為にアルバイト代をはたいて、母が行きたかった江戸時代タイムトラベルの旅行をプレゼントしたが、旅行先で母が失踪したらしい。
「話は大体わかったが、それで?」
「探しに行きたいんです!」
「ん。それで?」
「…一緒に探して下さい!」
「!!」
やっぱり、そうきたか。
「でも、どうやって探すんだ?」
「色々考えて来ました!でも、準備がまだで…。」
「お願いします!協力して下さい!!」
未来の俺が現代の俺に言え、と言ったらしい…。
馬鹿か俺!!!
ムムム。
「あ、それから…」
「ぇ?!まだあるの?」
「いえ、預かった物があります。」
そう言うと、お金(パッと見、1000万円ぐらいある)、古びた指輪らしき物、手紙を俺に差し出した。俺は手紙を読む事にした。
『過去のワシへ
この子を助けてやりなさい。
と言っても、お前が貧乏なのは知っとる。金はワシが用意したから、これを使いなさい。それと指輪を同封する。使い道はいずれわかる。
頑張れよ。』
「…。」
なんだ、これ。。。
むぅ…。
「んで、すぐ行くの?」
「いえ、準備もあるし、2〜3日後でも。」
「あ、そうなんだ。なら、今日は日が暮れてきたし、明日にする?」
「ええ。」
「ここに泊まる…んだよね?」
「はい。ダメですか?」
「いいけど、着替えとかあるの?そのコスプレは現代では変だよ。」
「そうなんですか?ならありません。」
…と言う事で、二人は取り敢えずの物を物色しに近くの商店街に行く事にした。
(続く)
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