太陽 2015-12-22 01:12:59 |
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:恐らく沖花は購買の人口密度に負けて飯を買い損ねてしまったのだろう。
しょんぼりと肩を落とす沖花に俺はそっと弁当に入っていたおにぎりを差し出した。
一瞬躊躇したがおにぎりを受け取り、代わりに俺の手の上に100円玉を置く沖花。
ギブ&テイク。
なんて律儀な奴なんだろう。
「……………強く生きろよ、沖花」
沖花を励ましたつもりがなんか今生の別れみたいになってしまった。
「はい…………どっかで聞いたことのあるセリフですが、ありがとうございます…」
そう言って沖花はもぐもぐとおにぎりを食し始めた。
と、屋上の扉が開く音がした。
目を向けてみると、雪が入ってきたようだった。
「よう、雪。沖花は購買で買えなかったらしいがお前はどうだっ……………」
俺は言葉の途中で絶句した。
「…………………あ……二人とも、来てたんだ………よお………」
雪は呑気に挨拶をしてきたが、俺と沖花は彼の手元を凝視していた。
「雪……………一応聞くが、それは購買で買ったんだよな?全部」
「………?……うん……………」
不思議そうに頷く雪。
「あのなぁ、…………だったらその量はおかしいだろぉ!!」
雪は両手に抱えきれない程のパンやおにぎりを持っていた。
「……………え?……おかしいか?…ど、どこが?」
こいつ、本当に自分がした事を分かっていない。
「………うん。もういいから、とりあえずこっち来い」
俺が雪に手招きすると雪はとことことやって来て、俺の隣に腰を下ろした。
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