…ああ、これは (目を後方へ。これはこれは、我が主。頭を嫌味のように恭しく下げて、それから告げる。吸血鬼様。嫌がらせのように玩具に微笑んで、それから言ってやった。ほら、貴方様が待ち望まれていた吸血鬼様ですよ。私は残念ながら主人たちの手中には落ちない。赤に染まる気もない。けれど、こうして絶望の淵に立たされた人間を見る度に、心のどこかで自分は大丈夫だと安堵しているのだ)