…そんなんじゃないよ。ただ、伝えたくなったの。 (冗談めかして零されたつぶやきが胸に刺さると、鏡越しでも視線を合わせるのがつらく視線を下へと移して、タイルを数えつつできる限り普段の声音を装い答えて。相手が背中を流し終えた頃にはようやく誤魔化す余裕も出てきて、「俺にとって特別な出陣だったからさー…この機会にちゃんとお礼言っておこうと思って」と笑い混じりに続け。)