ハナミズキ 2015-10-30 16:57:47 |
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その歌を聞いていたユーリは、
「これって…、もしかしてアレの事かな?」
ユーリは何かを思い出したのか呟くように言った。
「あれって?」
モリトには何の事だかさっぱりわからない。しかしまだ結論を言おうとしないユーリである。
吟遊詩人が歌い終わった時、ユーリが吟遊詩人の側に行き、お金を払った後に尋ねた。
「今の歌って、ローレライの歌ですか?」
「そうだよ。お嬢さん」
「どう言う意味なのか聞いても良いですか?」
吟遊詩人の話しによると、遥か昔、ローレライ大陸にはオリジンと言う王様がいたそうだ。その王は、祭り事などは全て臣下にやらせて贅沢三昧の毎日を過ごしていた。
お金がなくなると税金を上げて民から巻き上げる。税のきつさを訴える者がいれば処刑をしたと言う。
食べる事にも困った国民たちは、故郷を捨ててグリーン大陸へと移住し始めた。民が居なくなった領地は荒れ果て税金も取れなくなり、その領地を任されていた貴族達は、まだ人の残っている領地を我が物にしようと戦を仕掛けたのだ。
あちこちの領地で戦が行われ、その巻き添えで民家や田畑が焼き払われてしまった。
そこに天から女神が現れて、王や臣下達を一網打尽に討伐をしたのだった。女神は大地の復活を約束し、天から無数のマナが大地に降り注いできて、そのマナは今、鉱山の中に眠っていると言う。それを掘り出すためには鉱山の中に入らなければならないが、中には無数の魔物が潜んでおり簡単には取りに行けないと言う。
焼き払われた村や町は、今は遺跡として残っているが、とてもじゃないけど人が住める状態ではないらしい。なぜなら、そこにも魔物が出るからだ。
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