ハナミズキ 2015-10-30 16:57:47 |
通報 |
ユーリが洋服を選んでいる間、モリトは小物を見ていた。
『この紐、可愛いな…、ユーリが付けたらきっと似合うな。
でも、あいつはこういうの買わないんだろうな
自分の容姿に無頓着だもんな…。
おっ!?
このイヤリングもユーリに似合いそうじゃないか
こういうのを付けて、少しは自分が女の子なんだって事を自覚して貰わないとな…。』
モリトはコッソリとそれらの小物を買った。後でユーリに渡そうと思っていたのだ。
買い物も終わり、ブラブラと街を眺めて歩いていると、広場の方から賑やかな声が聞こえてきた。やはりここにも大道芸の人達が大勢きているようだ。
ピエロの格好をして曲芸をする者やジャグリングをしている者。紙芝居をしている者もいれば歌を唄っている者もいる。そしてその中に、吟遊詩人もいたのだった。
―― 遥か昔
昼が夜になりし時
天から女神が舞い降りる
ときの魔王オリジンが
ローレライの民を喰い殺す
土地は痩せ
民も逃げ出すローレライ
戦は絶えず
村は焼かれ川も枯れたローレライ
天から来たれし女神の名は
その名も美しき『アリア』様
女神は魔王を討ち果たし
天よりマナを降り注ぐ ――
と言う歌であった。
トピック検索 |