ハナミズキ 2015-10-30 16:57:47 |
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王都に来るといつもお世話になっている定宿がある。今回もその宿屋に泊まる事にした。
当然の事だが、店主たちにとってモリトは、今回が初めての客と言う設定になっているらしく、いつもの様に「おかえり、今回は何日間の滞在だぃ?」とは聞かれなかった。
「一週間で良いんだね? 悪いけどうちは、料金前払いになってるんだよ。いいかい?」
「はい。 それで構いません」
「じゃあ、一週間二人分、二食付きで42000メルだ」
ユーリが自分の分のお金を出そうとしたが、そこはモリトが断り二人分を払うと、宿屋の主人は ポン と鍵を1つ手渡してきた。
「部屋は一つですか?」
モリトが確認をすると、
「そんなに可愛い妹を1人で寝かせるなんて危ないだろ。最近この王都も物騒になってきてるからな。 こんな宿屋でもいつ押し込み強盗が現れるか分かったもんじゃない」
宿屋の主人が話し終わった頃に、ユーリが尋ねた。
「ベッドは二つですよね?」
主人は、変わった事を聞く子だな、と思いつつも
「まぁ、二人部屋だから、普通にベッドは2個あるな」
「なら問題は無いです。変な事聞いてごめんね、おじちゃんw」
満面の笑顔で話すユーリは、天使のように見えた。
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