《 小説 》 ビヨンド・ザ・ドリーム

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ハナミズキ  2015-10-30 16:57:47 
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オンラインゲームの中に入り込んでしまった男女2人の物語。

つじつまが合わない所はご容赦を…<m(__)m>

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  • No.49 by ハナミズキ  2015-11-12 16:33:15 

 その日の夜、宿屋の1階にある食堂では、お祭り騒ぎの冒険者達で賑わっていた。自分達が倒したゴブリンの数やそれらから出たドロップ品の自慢大会だ。
 店の片隅では、モリト達が今日の戦果を話していた。

「ユーリちゃんは、今日は留守番しててよかったよな」

 ケントは食事と酒を飲みながら言った。そして思い出したかのように、

「そう言えばあのドロップ品、いつ分けるんだ?」
「そうだな…、丁度いいからいま分けるか。欲しいものがあったら先に言ってくれ」

 ハロルドがゴソゴソとカバンの中から取り出した物は、マナでもあるオリハルコン原石・グリュフォンの皮・爪・牙・最後に、業火の剣だ。
 この業火の剣はレア物の逸品で、極まれにしか出現しない貴重品で有名な品物である。これに売値が付くとすれば500万メルと言うところだろう。なにせこの剣一振りで、呪文も無しに業火の炎が炸裂するのだから。

「やっぱりこれはモリトが使うのが一番いいと思うんだ。今回の一番の功労者だし」
「ハロルドがそれでいいなら俺は構わないぜ。どうせ俺には使えない代物だからな」
「私も同意です」

 ハロルド達3人はみんな納得をし、業火の剣をモリトに手渡そうとした。

「いや、俺はその剣は使わないからハロルドが使いなよ」
「いや‥でもそれじゃ・・・・」

 そんな押し問答をしていると、それに気が付いた他の冒険者達がわらわらと寄って来たかと思うと、横からヒョイと手を伸ばして業火の剣を掴んだ。

「なんだなんだ、兄ちゃん達。いらないもんなら俺が貰ってやるから有難く思いな」

 ガハハハと高笑いをしながらそれを取ろうとした。そこをすかさずモリトが男の手首を掴み、捩じ上げる様にして言う。

「これはハロルドの物です。あなたが手にしていい品ではありません」

 手首をねじ上げられた男は悲鳴をあげながら業火の剣を手から離した。

「イテテテテ……、冗談に決まってるだろ。でもよ、兄ちゃん。いったいどこで手に入れたんだ?これ」
「これはグリュフォンからのドロップ品です」

 グリュフォンと言う言葉を聞いて冒険者達は一同に静まり返った。しかしすぐさま大きな笑い声もあちこちから上がる。

「アハハハ、グリュフォンがこんな所に居るかよ。ありゃ、天空都市の生き物だぜ!?なぁ?」

 みんなは「そうだ そうだ」と大笑いをするなか、1人の冒険者が言った。

「――― 俺は見たんだ、霧の森で他の奴らがグリュフォンに襲われている所を・・・・」

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