主 2015-10-24 22:31:48 |
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(街灯が点り、照らされる町並みと対照に濃い色になっていく空をぼんやり眺めながら、冷たいベランダの柵に凭れ掛かり深く吸い込んだ煙草の煙を吐き出す。ここから見える景色は恋人が自転車を漕いで帰ってくる方角ではなくて、代わりにすぐ気づけるようにベランダに通じる窓兼引き戸を開け放しているから、そろそろ部屋も日が落ちる頃の澄んだ空気に満たされただろう。サンダルの爪先で柵を軽く蹴るとカンと鈍い音がする。柵に置いた腕に鳥肌が立って、ティーシャツで出てきてしまったことを後悔する。そりゃあ流石に寒いよなあ、随分ぼうっとしていたようで短くなった煙草を挟む指先が悴んでいる。なんとなく家に着いてすぐ上着を脱ぎたい性分みたいで。ダイニングの椅子に引っ掛けた厚手のフーディのポケットには実家の仏壇から失敬した饅頭と煎餅が入っているのを思い出して、胃が微かにむかつき始める。煙草の作用。空腹だったのかと他人事のように思いながら灰皿代わりの欠けた陶器、色が好きで十年以上前から使い続けていて昔喧嘩した際に元妻が怒って投げたら奇跡的に割れずに欠けた、に煙草を押し付ければ玄関から小さな音。そういえば鍵をかけ忘れていたかも、なんて未だに中々習慣づかない不用心さでも全く反省する気持ちはなく、それでもきちんとベランダの戸の鍵は閉めて。「おかえり」、玄関まで出迎えに行くのは照れ臭すぎるから少し手前、開けっ放しにしていた廊下の扉から顔を出して、帰宅した恋人に声を掛け)
(/ 今までのやり取りから思っていた通り綺麗な文章を書かれる主様で、これから色んなロルが拝見できるのが楽しみです……! 主様のほうこそ、此方の書き方が合わなければ容赦なく切ってください。
こちらこそ、返信が遅くなってしまうことがあるかと思いますが連絡せずに逃げたりはしませんので、どうぞよろしくお願いいたします!)
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