YUKI 2015-09-05 09:08:35 |
通報 |
そして葉月の《ハンバーグセット》は、サラダに大きめなハンバーグ、果物が少しとスープ、それにご飯といった感じだった。
ハンバーグは手作りらしく、しっかりとしていてなかなか美味しく感じた。
葉月と水凪は食事を終え、コーヒーを飲み終えると喫茶店を出て、近所の少し大きな公園に向かってみた。
平日の昼過ぎのため人は少なく、突然雲行きも怪しくなってきた。
これは雨が降るかもしれないと思い、葉月が水凪に家に帰ろうと言いかけたその時、小さな空き段ボールらしき中に小さな子猫が震えて鳴いていることに気づいた。
その鳴き声は弱々しく、今にも死んでしまうのではないだろうかと思えるほどだった。
水凪はその小さな子猫を優しく抱きしめ、「君のお母さんや兄弟は何処に言ってしまったんですかねぇ」と少し困ったように、しかし優しく子猫に囁いた。
おそらく、この子猫は捨てられてしまったのだろう。段ボールには滲んだ文字で《この子猫は兄弟が皆死んでしまい、一匹だけ残った子です。誰か親切な人に拾われることを祈っています》と書かれていた。
子猫は水凪の腕の中で甘えるように《ゴロゴロ》と喉を鳴らした。
トピック検索 |