karasu=925 2015-08-09 22:05:44 |
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「くっ…畜生…助ければ…」
地面に手をつき、フラフラしながら立ち上がりながらそう呟く。
「助ければいいんだろぉッ!!」
少女を襲っている人間に向かって全力の拳を繰り出す。こんな事をしたら、いけないと分かっていた。こんな事をしたところで何も変わらないと分かっていた。ただ、頭の中にこんな言葉を並べおわる前に、体が動いていた。
「チッ!」
「ぐほぉっ!」
繰り出した拳が届く前に相手の振り向きざまの拳をくらい、空気の塊をはきだして後ろに軽く吹っ飛ぶ。
「くっそおぉぉぉ!」
体制をたてなおし、拳を強く握る、が。
「えっ!?」
「何!?」
0コンマ1秒前、拳を握ったその瞬間、地震が起きる。ゆっくりだがかなり揺れは大きい。
「クッ!」
「危ねぇ!!」
「キャアアアアアアアア!」
少女の近くの桜の大木が倒れる。周囲の人間はその場から飛び退いたが、少女は尻餅をついていて、大木をよけれそうにないため、とっさに少女の上に覆い被さるように四つん這いになる。
「くそっ!」
大木が倒れてくる。全力で横に転がればかわせるだろうが、それでは少女が危ない。少女を抱えて大木をよけるほどの時間もないので、そのまま四つん這いで大木を受けることにする。
「がはっ!」
倒れてきた大木を予想以上に重く、意識が薄くなって行く_
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