燭台切光忠 2015-07-25 21:54:48 |
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(/お優しい背後様とまだまだお話したい気はありますが、ここはうちの燭台切に譲って退散すると致しましょう…
改めて、これから宜しくお願い致します!
_それでは、続きは2205年の世界にて。
(バタバタと支度をする者やそれを手伝う者、朝の挨拶や雑談を交わす声。それはいつもの朝餉の前と変わらぬ風景だ。いつもと違うのはこの膳を運ぶ己のポケットに入っている粉末と、自分自身のみ。昨夜計画した内容を頭の中で復唱しつつ膳を運ぶ道中、万屋で手に入れておいた睡眠薬を取り出せばそっと彼の水の中に溶かしておき。相手の行動パターンを計算して丁度相手が彼自身の部屋にたどり着いた頃効果が出るように仕向けたそれは正に見えない時限爆弾だ。いつも彼が座る位置に膳を置けば確かに相手はその場所に腰を下ろし、第一段階を問題無く終えた事に人知れず口角を上げた。数十分後、後片付けを終えゆったりとした歩調で相手の部屋へ向かえば最後の確認として声をかけて。少し待ってみても相手からの返事は無く、薬の効果が出た事がわかるとふわりと表情を緩め。今は出陣や遠征の準備、内番の確認などで本丸中が忙しい時間なのは身を持って把握済みだ。だからこそ、この時間を狙った。相手の部屋に入りもう一度相手が眠っている事を確認すれば起こしてしまわぬよう細心の注意を払いながら相手を抱き上げて。相手の部屋から直接庭に出て持ってきておいた靴を履く。様々な聞き慣れた音を聞きつつ最後に一度振り返ると何の未練も無い様子で一言、ばいばい、とだけ告げその場を去って。
無事到着したその場所は彼が不自由しないようにとつい今朝まで居た本丸と全く同じ外観、全く同じ内装にしておいた。記憶から物を作れるとは何とも使い勝手の良い力だと改めて実感しつつ縁側から直接彼の部屋へ相手を運びこめばその体をそっと畳の上に下ろして。空にドーム状の結界が貼られまるで空全体を曇りガラスで覆っているように見えてしまうが、まぁ、彼を護るためのバリケードだと思えば澄んだ青空などいくらでも切捨てられる。数度相手の髪を撫でてからにこりと普段どうりの笑顔を作れば優しく肩を揺らしつつ声をかけて。)
長谷部くん、起きて。
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