三日月宗近 2015-07-25 21:54:34 |
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俺は確かに君のよく知る鶴丸国永だ、然し流石に勘が良い。此処は君のいた本丸とは違う場所だぜ。
(柔らかな微笑み消した彼が、例え恐怖、嫌悪等良くない感情を覚えていたとしても、一方己が感じたものは日頃と違う彼を他の誰でもない自分が引き出しているという事から来る興奮と優越感。それらは背筋に冷たい感覚を与えた後、体全体へと熱を持たせ、今すぐにでも怯えに近いものが揺らした瞳をどうにかしたい、という思いまでもを覚えさせた。然し乍ら、今それをしてしまった所で詰まらない、時間は幾らでもあるのだからそれらを使わぬというのも損であろう、そんな思考を頭の片隅に置きつつ、未だ戸口に置いた儘であった己の体と彼との距離をゆっくり、一歩一歩追い詰めるように近付けて彼の目前にて片膝をつけば目と鼻の先となった瑠璃色の絹の髪、己の白にも劣らぬ陶器の肌、そして瞳の中の三日月。触れてはいけないとすら思う様な、彼の頬へとゆっくりと手を伸ばし、そっと上から下へと、其の儘首筋へと指先を撫で下ろす。ああ、本当に、彼を手に入れたのか。口から溢れそうになる歓喜を飲み下し、何時の間にか肩へと辿りついた手其の儘に口を開く。「然しそんな事はどうでも良い事だろう、もう戻る事も無い場所へと未練を残した所で意味は無いと思わないかい?」くつり、喉を鳴らした笑い声と共に吐き出したその言葉。首を傾げて肩の手を髪先へと伸ばすと青の先端掬い上げ)
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