! 2015-05-30 17:45:06 |
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(人間の容姿に見入っていたのはどれくらいの時間だろうか、目が合っていたことにも気付かずまどろみの中にいるようにぼんやりとしていると、突然聞こえてきた笑い声に弾けたようにはっと我に返り。何か可笑しな事をしてしまったのか、と頭の中は疑問符でいっぱいになり首を傾げながらも狼狽えるように目を泳がせて。謝罪と説明を大人しく聞くと自分の知る"人魚姫"の御伽噺の知識を引っぱり出して考える。確かに自分は姫とは性別も違い程遠い容姿をしている、それに納得したようでつられたようにからりと軽やかな笑みを零し。相手が此方を観察しているのも全く気付く事なく、1度海水の中に戻る。予想以上に長い時間陸に上がった状態で釣り糸と格闘していたようで、すっかり乾いていた肌をなめらかな海水がゆっくりと潤していくような心地良い感覚に、安堵にも似た嘆息を漏らして。肩まで浸かったところで当然のごとく陸に居る相手を見上げるとやんわりとした忠告を受け、そこで自分が驚くほど警戒を解いていた事を自覚して一度硬直してしまい。しかし何故か彼が、今は此処にいない同族の言うような危険な存在に思えずまじまじと観察して。目の前の人間は鬼のような形相だとか、恐ろしい武器を持っているだとか、そういった気配は全く見られず、むしろ今まで見た中でも美しく慈愛に満ちているように思えてならない。あくまで自分の動物的勘というものだが、他の誰の言葉よりも信用するには十分で 「そうだな。居合わせたのが、あんたで良かったよ。」 小さく頷き良心的な意見を素直に受け入れて。もう浜辺に用事はないのだから立ち去るのが妥当で最善ということは百も承知だが、せっかく出会えたお人好しな人間とこのまま別れるのも勿体ないように感じ、水の中に帰れずにいて。何と声をかければいいのか分からず、無言のまま頭を悩ませているところに、自己紹介と質問という救いの手が差し伸べられる。立ち去らずに居てくれたことも含めて、少なからず自分に興味があることを感じ取ると嬉しそうに 「アーサーか!俺はユーラ。 …此処はいいところだろ?気に入ってくれて嬉しいよ。こっちに来たのは最近か?」 どこかぎこちない淡い笑みを浮かべる相手に対して、無意識に質問が多くなってしまうのは好奇心ばかりが前に出てしまっているためで、生き生きとした表情で嬉々と言葉を述べていき。)
(いえ、わかりにくい書き方をしたのがいけなかったんです。今後、気を付けますね。
今回は大丈夫です。わざわざ書き直してくださって、ありがとうございました!)
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