匿名ゆき 2015-05-17 09:59:59 |
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未指定区域:プロムナード
緑色で舗装された道路は、やけに退屈する。
そして多くのばあい、還暦をむかえた男達が寂しげに歩いているものだ。
ある研究によれば、色はある程度人間の感情に影響を与えるらしく、なかでも緑色は人を厳格にする作用があるらしい。
だが実際はどうだろうか。
あの男達を見る限り、幻覚の文字が相応しいようにも思える。
話を聴けば、毎朝家から追い出されて、家中の明かりが消える頃、足音をたてずに寝床につくのが彼の仕事だという。
『人は60にして同等に扱われなくなる』と看板にかかれていたが、その裏には『未指定区域』と題された彼らの必死な反抗の表れである散歩道が描かれていた。
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