臆病な自分と冷たい相手

……何だ、用がないなら部屋に戻れ。
(相手の様子に眉顰め、本当は休んでいろと言いたいのだが、素直に言えずぶっきらぼうに言い、)

(相手の言葉にシュンとして部屋に戻ろうと思い相手に頭を下げて部屋へ帰ろうとしていき)

…っいや！ …っ何か用があるのなら、別に……っその、いても構わない、が……っ。
(相手の様子にいても立ってもいられず声をかけ、)

(相手の言葉に再度相手の方を向き近くにあったペンと紙を見ては｢声が出ないのです｣と書いて震えながら相手に見せて)

……声が出ない？
(相手の一連の動作を眺めて見せられた紙の内容読んで、怪訝そうな顔して言えば「どういう事だ」と続け、)

(怒られると思いギュッと目を閉じて泣きそうな感じで震えていて)

……怯えるな。
そんな事で怒ったりしない。
(相手の様子に溜め息つけば、態勢崩して後ろに手つき「それで？」と促し、)

(怒られないと言われてホッとして、相手の言葉にキョトンとして相手に追い出されるかもとしか考えてなかったためそれでと言われてもどう言えばいいのかわからなくて)

どうして声が出なくなったのか、心当たりはあるのか？
(首傾げ、相手にわかりやすいように言えば、「そもそも、さっきまで出ていただろう」と続け、)

(相手の言葉にまたペンと紙を持ち｢昔の主と京城院さまが重なって落ち着いた後に急に声が出なくなって｣書いた内容を相手に見せて)

っ！ ……っ俺と、奴、が……っ？
(相手の書いた内容読んだ瞬間、履歴書の内容を思い出して無意識に睨みつけ、威圧するような低い声を出してしまい、)

(睨まれて相手の声を聞けば何か悪いことをしてしまたのかと慌てて涙を流し服の裾をギュッと握りながら相手を見て)

チッ…泣くな。お前に怒った訳じゃない。
(相手の様子見て、感情的になりすぎた自分に対して舌打ちすれば、視線逸らして言い、)

(舌打ちされては自分のことだと勝手に勘違いして相手に頭を下げて逃げるように自分の部屋に向かい)

っ！ 待て…っ！
(相手の去り際にハッと我に返り、思わず声かけ、)

(声をかけられてはビクッと止まり泣きながらと震えながら相手の方に振り向き)

その…っ別に、お前は悪くない、から……っだから、逃げるな…っ！
(引き止めたはいいものの何を言えばいいのかわからず、しどろもどろに言い、)

(本当に自分は悪くないのかと思いながら相手を見て涙を流していて)

……とりあえず、戻ってこい。
(困ったように溜め息つけば促し、その辺にあった腰掛けを指し、)

(小さく頷いて相手の指差した椅子に座り)