＿＿綺麗とか、言うな。 [ 非募 ]

( 言葉に僅かに眉下げて )…君は本丸の中でも優秀な刀剣だと思うんだがなあ
( 上記述べてはあまり自分を卑下するのは良くない、などと独り言 )

……お前が言うと皮肉にしか聞こえないな、天下五剣。 ( 見上げるような形で彼へ視線遣ればじっと見据え、 )
( やがて視線外せば小さく溜息を吐き、話題を切り替えるべく口火を切って ) …今日の戦績、戦況はどうだったんだ。見る限り、又此方の勝利の様だが。

…そんな言い方は寄せ(正直あまり好きではないその呼ばれ名に苦笑いしつつ左記)
ああ、勝ったぞ(溜息吐かれれば不思議そうに首傾けるも問には僅かに頬緩ませ答え、)

( ふう、 )…なら何と呼べと？ ( ちらりと相手見遣れば小首傾げ問い、 )
そうか。……まあ、当然と言えば当然か。何しろ、今回はお前が隊長に任じられたんだろう。( 言葉の端々に嫉妬と羨望の色を交えつつ淡々と返答、 )

(暫く考え込むような素振り見せては)『三日月』、もしくは『宗近』だな(口角上げ後者に軽くイントネーション置き、)はは、隊長で勝利を刻んだといえども此方にも負傷者はいた。(淡々と返された言葉に苦々しげな顔し)

……三日月、で頼む。 ( 数秒考え込んだ後、渋りつつも彼の名をぽつりと口にして )

…戦っている以上、それは当然だろう。お前に怪我は無かったのか？ ( 特に気遣う様な意図は無いが、話に流されるままそう問って )

はは、良きかな(満足そうにこくりと頷いては彼じい、と見)

ああ、俺は刀装が一つ壊れただけで無かった。__気遣ってくれているのか？(質問に頷いては少し口角上げ)

……何だ。 ( 再度視線上げれば困った様な呆れた様な、何ともつかない声色で )

ああ、そうか。なら…、 ( "良かった"という言葉は彼をつけ上がらせるだけではないか、と一歩思い留まり )

……っ、そういう訳じゃない。 ( 想定外の問いに慌てて顔背け )

…ああ、いや、綺麗だなと( 不服そうな視線にわざとらしく見つめる事やめ、 )

__なら？( 彼の言いかけた言葉に不思議そうに首傾げ、 )

素直じゃないなぁ、( ある程度予想の出来た反応にけらけらと笑い、 )

＿＿綺麗とか、言うな。 ( 顔を背けたまま小さく返答し「そう言われるのは好きじゃない」と襤褸布被り直して、 )

さぁな、何でも無い。……怪我がなかったのなら良かっただろう、手入れ要らずの分資材も節約できる。 ( 半ば誤魔化すような形で咄嗟に答え、 )

嘘は吐いていないぞ＿＿はぁ、お前と居ると本当に調子が狂う…。 ( 自分と相反し何時も通りに笑みを見せる彼に嘆息すれば俯き、 )

__! 悪いな、俺とした事が、(相手がその言葉を嫌う事今更ながらに思い出し、自嘲気味な笑み浮かべつつ謝罪を)

……はは、そうだなあ。資材が節約できるのは良いことだ(言動に若干違和感感じつつも気にするほどではないかと思いつつ頷き、)

そうかい？それでもこの爺の話に付き合ってくれるというのは、…山姥切は優しいんだなぁ、(俯いた彼見ては不思議そうに首傾げて、後半述べつつ彼の頭に手乗せ、)

別に構わないさ。＿＿ただ、一等美しいと云われるあんたがそう言ったところで皮肉にしか聞こえないな。 ( 自分と話しているのは数有る名刀の中でも更に磨きのかかった美しさを持つ彼。その事実を再認すれば俯いたまま淡々と告げ、 )

あぁ、ただでさえあんたの手入は資材を食うんだからな。 ( 近侍の際に耳にした審神者の愚痴をふと思い出しそう述べれば「……それだけ天下五剣が繊細だってことなんだろうさ、写しの俺とは違ってな」と溜息吐いて )

…今日は非番だ、暇潰しに付き合ってやっているだけだ。 ( 彼の手が触れ、思わず顔を上げればその表情は困惑した様な気恥ずかしげな様などちらともつかない色に染まっており )

…お前は自分を卑下しすぎだ(俯きつつ淡々と告げられた言葉に少々表情固くしては左記述べつつ彼の腕引いて、相手の体此方に寄せれば相手が顔上げるの待ち、)


__確かに、俺の手入れは時間もかかるしなあ(同意の言葉述べて次に聞いた溜息混じりの呟きに「…刀種も違うんだ、気負うことじゃないだろう」と眉下げて苦笑い混じりに)


暇つぶし、か。それでも俺は嬉しいぞ(言い訳じみたような発言と見えた表情に笑漏らしては軽く彼の頭ぽん、と叩いて手離し)

＿＿事実だろう？ ( 唐突に腕を引かれれば僅かに狼狽えるもさして抵抗する様子は見せず、ゆっくりと顔を上げると仄暗い視線と共に上記、 )

何もお前に限った話じゃない、この本丸には名だたる名剣名刀が揃っている。 ( 卑屈な思考は留まる所を知らず「……なのに俺は…」と表情歪ませて、 )

そうか。……俺みたいなのと話して楽しいのか？ ( 理解出来ない、とでも言いたげな口調で左記述べれば首傾げ )

事実な訳無いであろう、お前は国広随一の傑作と言われている。もう少し自信を持ったらどうだ？(相手掴んだ手は話さずつらつらと述べては襤褸布の中にある顔覗こうと)

____君の兄弟は、(言いかけて止まり、言葉を濁らせれば「…贋作だって居るだろう」と言葉紡)

ああ、楽しいさ。本丸の中でこんなに大人しく俺の相手になってくれるのは君くらいだからな(こくり、と問いかけに頷き本丸にいる面々思い浮かべつつ述べ、)

あぁ、そうだな……第一の傑作と謳われているが、それは自信にも負荷にも繋がっているんだ。写しである以上、化け物切の刀そのものと比較され続ける ( 依然として淡々と言葉紡ぎつつも、此方の顔覗こうとする彼に気付けば「……っ、見るな」と顔背けて )

贋作以上の働きをする贋作、だろう？ ( 彼の言葉には敢えて触れず、小さく溜息吐けば「…山姥切国広と名乗れど、俺は山姥退治なんてしていないからな」と返し )

…それは意外だな。 ( 予想外の答えに僅かながらも衝撃を受けたのか「＿＿天下五剣の相手をしたいという奴は幾らでもいる物だとばかり思っていた」と些か呆気に取られ )

____この本丸では居ない刀剣と君を比較する奴などそうそう居ないだろう？(どういった反論しようと考えつつに述べては「何故、綺麗なのに隠そうとするんだ」なんて)

…それなら、それと同じように山姥退治以上の仕事をすれば良いじゃないか(溜息と共の反論に首竦めて「実力だってある、お前は本科とは違うお前の仕事をすればいいんじゃないか」と首傾げては)

天下五剣とはいえ最終的には刀だ。皆忙しいようだし、話相手になれる者たちは大体元気が良すぎる(呆気にとられたような彼の視線横目につらつらと告、後きちんと相手に視線戻しては「だから、偶にこうしてお前が話を聞いてくれて助かる」なんて)

居ない刀剣と俺を、か……そうかもな。ただ＿＿もう、綺麗だなんて言うな ( 相も変わらず伏し目がちな憂い顔でそう述べれば「…写しの俺がそう言われて、一体何になる」と小さく呟き )

そうだな＿＿写しは写しなりに働くとするか。国広に面目が立たない。 ( 相手との会話の中で初めての肯定は意外にもすんなりと口を衝いて。次いで顔を上げれば「三日月宗近、お前はどうしてこうも俺を評価するんだ？」と相手を見据え )

……分かった。話相手になってやらないこともないさ。暇な時くらいは、な。 ( きょとん、とでも形容したら良いのか目が合えば呆然と黙りこくり、数秒後我に返ると相手の言葉に素直に頷けば再度視線落とし、襤褸布の下でふっと微笑んで )

嫌だ__俺は止めない(駄々を捏ねるような呟きしては彼の布の内に隠れているさらりとした髪撫であげれば「何にもならないかもしれないが、俺から見た事実であることに変わりはない」なんて)

はは、その意気だぞ(珍しい肯定に若干瞳丸くするも安堵感からか笑顔と共に溜息漏れ出し。質問には眉根若干上げつつ「さあな、知りたいか？」と誂うような口調で)

＿！(てっきり次からは避けられてしまうのではないかと考えていれば予想外の返答にぴた、と動き止めて相手じい、と見れば本当かと確認を問うかのように、)

ん...、...好きに言ってろ。 ( 彼の手が髪に触れれば硬直、面食らいぱちぱちと数度瞬きした後に観念したのか視線落とし俯けば「...そんな事をして楽しいのか？俺は子供じゃない」と何処となく決まり悪そうな声色で )

...三日月宗近、あんたも大概意地が悪いな。 ( 過去に目立った接点も持たない相手が自分を高く評価するのは何とも理解し難く。疑問が膨らむ前に直に問ってしまえと口にしたものの、返って来た誂い混じりの言葉に眉を顰め上記述べれば「...あぁ、知りたいよ。教えてくれ」と半ば自棄に再度問い掛け )

＿勘違いするな、只の気紛れだ。 ( 数秒前の微笑みは嘘だったかの様にいつもの顰め面でそう伝えると「...同じことは二度も言わない」と遠回しな肯定を、 )