囚人A 2015-05-06 01:34:23 |
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>神代看守長殿
誇る事ではありませんが私めのこの身は卑しい出自、鳴き飛び回るのは得意にございます。
(そっと自分の目元を覆う狐の面をなぞる相手の指は何処か此処にある存在を確かめているように感じられて、目の前にいるというのにその触れ方との僅かなずれに少々違和感を感じ。しかし相手は上官、つまらないことで声を上げていいような相手ではないとも自覚しており相手の声にまるで言葉遊びのような答えで返事をするとそっと立ち上がり。「…それで、看守長殿。貴方様程のお方が、このような場に何のご用でしょうか?」少し相手との距離を取った状態でそちらを真っ直ぐに見つめると普段は見回りの看守が数人行きかう程度の遊技場に現れるはずのない上官のこの行動の意図を尋ねると、先程相手に触れられたためか僅かにずれた面の鼻先に手を掛けると眼鏡を持ち上げるときのような仕草で具合の良い位置まで面を調節して。目が合っているはずなのに、自分ではないどこかを見つめているような相手の何とも言い難い瞳に若干の苦手意識こそあれどそれを表情に出すことも、ましてや上官相手に自分から目を逸らすような真似もせず静かに返答を待ち。)
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