主 2015-05-04 00:01:23 |
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っえ、あ、待って…!
(彼の言葉にはいちいち棘があるのだが、何故かそれを聞く度に速度を増していく己の鼓動。どくどくと体中に大きく響く心臓の音に無意識に小さく唇を噛むと胸の辺りの服を軽く握って。そこでふと、気が付いた。結局彼の名前を聞けていないし、顔も見れていない。もう小さくなりつつある背中を見付ければ急いで立ち上がり相手の元へ駆け寄って。「ま、待ってってば」今日はやけに体力が無い。少し走っただけなのに頬は上気し息も乱れてしまっている。かっこ悪いなぁ、なんて思いながらもなんとか相手の近くまで行けば軽く袖を引いて
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